教育委員会への相談の仕方

結論から言うと、相談先は大きく2種類あります。 (1)お子さんが通う学校を所管する「区市町村教育委員会」(学校の設置者)と、 (2)都道府県レベルで相談窓口を持つ「東京都教育委員会(東京都教育相談センター)」です。 学校とのやり取りで解決しない、または学校を通さずに相談したい場合は、区市町村教育委員会の窓口に直接連絡できます。 この記事では、窓口の探し方と、教育委員会が法律上どんな役割を持っているかを説明します。

1. まず区市町村教育委員会に連絡する

  1. 公立小中学校の場合、学校を設置しているのはお住まいの区市町村です。そのため、まず相談すべき先は区市町村の教育委員会(多くは「教育委員会事務局」「学務課」「指導課」などの名称の部署)になります。
  2. 東京都教育委員会のサイトには、23区・都内市町村それぞれの教育委員会の連絡先一覧が掲載されています。学校名だけでなく「区市町村名 教育委員会」で検索しても見つかります。
  3. 連絡する際は、学校に伝えた日付・内容・学校からの回答(前の記事で作った記録)を手元に用意しておくと、話がスムーズです。
  4. 「学校には伝えたが対応が進まない」という経緯を、感情的にならず時系列で伝えることがポイントです。

出典: 東京都教育委員会「区市町村教育委員会所在地等一覧」 kyoiku.metro.tokyo.lg.jp

2. 教育委員会には法律上どんな役割があるのか

いじめ防止対策推進法では、学校が事実確認を行った結果は学校の設置者(教育委員会など)に報告されることになっています。 また、いじめにより重大な被害が生じた疑いがある、または長期間の欠席を余儀なくされている疑いがある「重大事態」にあたる場合は、 学校の設置者または学校が調査組織を設けて調査を行うことが定められています。 つまり教育委員会は、学校任せにせず、必要に応じて学校を指導・支援したり、自ら調査組織を設置したりする立場にあります。

出典: 文部科学省「別添3 いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)」第23条・第28条 mext.go.jp(条文全文)

3. 都道府県レベルの相談窓口も使える

区市町村の教育委員会に相談しにくい、あるいは第三者的な立場からも話を聞いてほしいという場合は、 東京都教育委員会が設置している東京都教育相談センターの「教育相談一般・東京都いじめ相談ホットライン」も利用できます。 電話は24時間365日受け付けており、対象は都内在住・在籍の幼児から高校生相当年齢の子どもとその保護者、教職員です。 電話だけでなく、SNSでのチャット相談も用意されています。

出典: 東京都教育相談センター「教育相談一般・東京都いじめ相談ホットライン」 e-sodan.metro.tokyo.lg.jp / 東京都教育委員会「相談・窓口」 kyoiku.metro.tokyo.lg.jp

4. 相談するときに準備しておくと良いもの

  1. これまでの経緯を時系列でまとめたメモ(日付・出来事・学校に伝えた内容・学校からの回答)
  2. 子どもの体調や欠席日数の変化が分かるもの(連絡帳、通院記録など。無理に集める必要はありません)
  3. 希望すること(事実確認をしてほしいのか、対応方針を知りたいのか、第三者を交えた調査を求めたいのか)を、自分の中で整理しておく

5. どこに相談すればよいか迷ったときの考え方

「学校の話」なのか「制度全体の話」なのかによって、相談する順番を変えると整理しやすくなります。 例えば、担任個人の対応に関する相談であれば、まず学校の管理職(校長・副校長)に伝えたうえで区市町村教育委員会に相談する、 複数の学校にまたがる制度的な疑問(学区の考え方や、区としての方針など)であれば、最初から教育委員会の担当課に聞く、といった具合です。 どちらに相談すればよいか分からない場合も、区市町村教育委員会の代表窓口に電話をすれば、担当部署へつないでもらえます。

6. よくある質問

Q. 教育委員会に相談すると、学校に伝わってしまいますか。

A. 相談内容や状況の確認のために、教育委員会から学校へ連絡が行くことは一般的にあります。 「学校には知らせず匿名で相談したい」という場合は、その意向を最初に伝えることで、対応の仕方について案内してもらえることがあります。 まずは相談窓口で希望を伝えるところから始めてください。

Q. 相談してもすぐに解決しませんでした。次はどうすればいいですか。

A. 教育委員会への相談後も状況が変わらない場合は、対応の経過を記録しつつ、 重大事態に該当する可能性がないかを前の記事(学校がいじめに対応してくれない時の手順)で確認したり、 東京都のいじめ相談ホットラインなど、別の窓口も併用したりする方法があります。一つの窓口だけに絞らず、複数の相談先を並行して持っておくと安心です。

Q. 教育委員会の連絡先が分からない場合はどうすればよいですか。

A. 「区市町村名+教育委員会」で検索するほか、東京都教育委員会の「区市町村教育委員会所在地等一覧」ページから、23区・都内市町村の教育委員会の連絡先をまとめて確認できます。

注意点

教育委員会への相談は、学校との関係を断つものではなく、学校と教育委員会が連携して対応するための手続きです。 相談したからといって、必ず希望通りの結果になるとは限りませんが、対応の記録や説明を受ける権利は保護者にあります。 当サイトは相談の仲介や、開示請求書の作成代行は行いません。公式窓口への案内までとなります。

相談窓口

  • お住まいの区市町村教育委員会(学務課・指導課など。名称は自治体により異なります)
  • 東京都いじめ相談ホットライン: 0120-53-8288(24時間365日)
  • 東京都教育委員会「相談・窓口」ページ(各種相談先の一覧)